祐介先生・牟田さんこんばんは。
お元気ですか?残暑お見舞い申し上げます。日本中が熱帯になってしまったかのように感じられた日々も9月に入ると日増しに温度を下げて、こちら信州では朝、夕は肌寒ささえ感じるようになりました。あれほど大変だった日々がむしろ懐かしくさえ思うのですから本当に不思議です。
コロナウイルスは完全に制圧された訳でないので、ここでもう一度「不要不急」の外出を謹んでもらいたいと思います。「Go to ~」で様々な人達がまるで何かをしなければならないかのように思いますが、「万やむを得ない場合」を除いてコロナウイルスの治療薬やワクチンが完成するまでは、可能な限り人の集まる所へ行くのは注意しましょう。現在の日本経済は、皆さんがどんなに頑張っても一人や二人の力でどうなるものでもありません。むしろ静観すべきです。
今年はオリンピック・パラリンピックが開催されるということで景気が良くなることを期待して大盤振る舞いをしてしまった人も多いかと思います。「とらぬ狸の皮算用」だったのではないかと思うのです。一獲千金を夢みないで着実に一歩ずつ歩むことが大切です。私は東京オリンピックの誘致が決まった頃にも書きましたが、こういう特殊な能力の人達の祭典より「福祉の充実」のほうを優先すべきだということを訴えていました。1964年の東京オリンピックのレガシーを再利用し経費の掛からない大会ならまだしも、国立競技場の建設では、設計のやり直しで莫大な負担を強いられたり、築地市場から豊洲市場に変えたことによって、これまた大きな負担になってしまうなど最初の目論見とは大きく違ってしまいました。3・11大震災の復興オリンピックということで、東北にも会場を持っていくという案も、結局は東京一極集中になってしまい、全てお金のかかるようになりました。それをたった一回の大会で償却することなどとても無理です。「うまい汁には毒がある」という諺通り、物事はそんなにうまくいかないのです。
「とらぬ狸の皮算用」に走ってしまった皆さん。今般のコロナウイルスによる自粛が、皆さんにこれ以上の大きな負担をさせないようにしてくれたとしたら、むしろ幸いだったととるべきではないでしょうか。「身の丈に合った」ことをすることが大切なのです。
それでは今夜の歯の一口メモです。
一回こすっただけで口の中の全ての歯を磨くことなど出来ません。一本の歯の頭のてっぺんから根の先まで丁寧に一本ずつやるしかありません。その積み上げた努力が、歯の病気だけでなく、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞の予防や認知症予防になったり、インフルエンザなどのウイルスによる病気の予防にもなるのです。
2020年9月18日
医学博士・歯科医師 林 春二