祐介先生・牟田さんこんばんは。
梅雨と言えば雨がシトシト降って、雨が上がったと思えば湿気に襲われジトジトとしていたものですが、ここ数年、梅雨になるとバケツをひっくり返した様な激しい雨に変わり、今では「線状降水帯」とやらに襲われ、全国の至る所で水害や地滑りが発生し、まるで台風や津波に襲われたかのように景色を一転させられてしまいました。
1985年「地球温暖化」という言葉が現れ、私たちの生活の在り方「大量生産」「大量消費」が正義、豊かさ、憧れという日の当たる主役の座を脅かされ始めたのに、私たちの多くは「物に溢れた生活がこの世の春」とばかりに見直すことが出来ずにやり続けてしまいました。それから40年近くなって、気象状況は大きく変わりシットリ濡れる梅雨の雨は、バケツをひっくり返し続けるほどの大雨になってしまいました。
わが身に置き換えてみると、小さい頃母に「春二、勉強したか?」、「遊びに行くならその前に勉強をしてから行きなさい」などと、どれくらい言われたことか。それから早70年が過ぎ去ってみると「母の言ったことには間違いは何ひとつなかった」と後悔することばかり。それでも私を許してくれた母のお陰で今の私があり、沢山の仲間達とフィリピン医療ボランティアを続けることが出来、母にほんの僅かかもしれないけれども「産んでもらい」、「育ててもらった」恩返しをさせてもらっているように思うのは自己満足なのでしょうか・・・。
今、世界中はコロナウイルスの大きな洗礼を受けています。発展途上国にしろ、先進国にしろ全く差は見つかりません。すべての人が一様に受けている感染病。世界の感染者数は1,500万人を超え、死者数は860万人、日本の感染者は28,000人、死者数は1,000人になり、その数は日増しに増え続けているのに治療薬は見当たりません。緊急事態宣言は解除されましたが、解除されてもコロナウイルスがなくなったということではありません。この状況で「go to~」とは笑ってしまいます。
そもそもこのコロナウイルスに対して緊急事態宣言が解除されたのは、外出を自粛し、人との接触を避けることによって感染を予防出来ることが分かったからです。一方で外出をしないのですから、経済活動は抑制されてしまいます。しかし生活必需品や病院、銀行、交通機関は今まで通りに使えるわけですし、インターネット販売も宅配もやってもらえます。生きていく事は何の支障もないはずです。もう少し我慢したらいいのです。
コロナは弊害だけが言われますが、地球環境はものすごく変わり、35年前の地球に戻ったかのようにさえなっているのです。「生活が大変だ」、「家賃が大変だ」という人の親や先祖の住んでいた所はもっと大変でした。醤油がなければ隣の家に借りに行き、自分の家でカレーを作れば隣の家に「お裾分けです」と持っていき、まるで物々交換の生活かのようでした。今とは比べものにならない位でした。それでも「人間らしい生活」が出来ていたように思うのです。これがウィズコロナの生き方なのだと考えましょう。
2020年7月24日
医学博士・歯科医師 林 春二