祐介先生・牟田さんこんばんは。
5月25日に解除された緊急事態宣言ですが、7月1日には107名、そして昨日は124名を数えてしまいました。4月7日に緊急事態宣言が発せられた時は87名だったことを考えると、心配していた第2波に襲われていると言わざるを得ないでしょう。昼間の移動、夜の移動がすべて自由になったのですから、こういう結果になっても仕方ありません。緊急事態宣言が発動されて、すべての人がステイホームを強いられ、普段通りの生活が制限されたのですから宣言が解除されたら一気に気が緩むのは当然だと言えます。新型コロナウイルスは3密を避けることで予防できます。狭い部屋に沢山の人が密集しない。部屋の空気の入れ替えを頻繁に行う。人との距離が十分とれない所で大きな声を出さない。これは基本中の基本です。ところが、つい先日クラスターとなった60歳以上の人達以上に基本を守らなければならないことを知っている人達はいないでしょう。さらにこんなに大変な時期に自分を抑えられないようでどうするのかと人を諭さなければならない年齢の人が「昼カラ」でクラスターになってどうするのでしょう・・・・。人間の欲望は次から次に湧き上がる入道雲のようなものです。お寿司を食べた後でもすぐにラーメンが食べたくなり、そこにケーキでもあろうものならお腹一杯なのに甘い物は別腹ばかりに手を出してしまう。翌日の朝、胸やけで具合が悪くなっても次の機会には同じことを繰り返してしまいます。知らないわけでもなく、こんなことをやっていい訳がないことを知っていてもです。つまり欲望を抑えるには、よほど強い信念というか心が大切だということです。
私達ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアに参加している人、協力してくれている人達はとても幸せだと思います。スラムの人達は本当に気の毒です。仕事をしたくても仕事はできず、食べたくても食べることさえ出来ない人達ばかりで、どの人もやせて血色が良くありません。でも笑顔を絶やさないで、仲間思いで、他人を優先する優しさに溢れています。小さな子供の夢は「15歳まで生きること」とこともなげに言うあどけない姿には、思わず涙が浮かんでしまいます。こういう現実を知っているからこそ、常に協力するために周りの人に歯ブラシ・タオル・石鹸を呼び掛けたり、一緒に行ってくれる高校生の負担を少しでも安くなるように呼び掛けるカンパのお願いは、いつの間にか頭が低くなり、謙虚さを身に着けさせ、無駄遣いしなくなって、だれからも素晴らしいと言われるような人へと昇華させてもらえるのです。こういうボランティアを真剣にしている人ほど素晴らしい日常を送るようになります。今回のコロナウイルス対しても積極的に予防第一になり、絶対にクラスターにならない生活が当たり前にとれる人になってくれるのです。古来から「親切は人のためならず。明日は我が身」と言われているように、自らが率先して他者を利する人になってくれるのです。その代表者が関口団長で、祐介先生が「関口総理」と言っているのが本心で言っていることがよく分かります。
2020年7月3日
医学博士・歯科医師 林 春二