祐介先生こんばんは。
数日前までは夏かと思うほどの暑さでしたが、ここ2、3日は気温もめっきり下がり梅雨らしい雨が降っています。やはり梅雨は梅雨らしいほうがいいです。
今日6月19日から、新型コロナウイルス感染症の対策で県をまたぐような移動も自粛されていましたがようやく解除されました。観光地を控えている皆様にとっては待ちに待った日になりそうです。私たちは恵まれた日本にいながら、同じ時代とはとても思えない生活を強いられているフィリピンのスラムの人達に触れることによって、私達が生活している日常は当たり前のことではなく、本当に恵まれている生活なのだということを気づかせてもらっています。言い換えてみると、私達はこんなに素晴らしい日本に生まれるために何の努力もしていませんし、両親のもとに生まれる努力さえしたことがないのです。フィリピンのスラムの人達にしても全く同じです。わざわざ大変な日常生活を送るために、物にもお金にもチャンスにも巡り会えない所に生まれる努力などしたくても出来るものでもありません。しかし、そういう人達と実際に接してみると自分がいかに恵まれているか、日本という国がいかに素晴らしい国なのかわかります。こういう気付きは欧米の超先進国を旅行してみても全く気づきません。むしろ日本の足りないところや、さらに豊かになりたいと天井知らずの欲望だけが大きくなってしまいます。そこから普段の生活に戻っても、地道に一歩一歩、努力を重ねることを忘れてしまい、一獲千金のほうに走ってしまいがちです。しかし私達はどんなに大きな夢を抱いたところで、足元の一歩から少しずつ前進して、やがていつの日にかそこに到着出来たら幸せなのです。
今回の新型コロナウイルスの経験を次に生かす努力をしなければこんなに嫌な思いをしたことが何にもならなくなってしまいます。そのためにも、ここでもう一度コロナの変遷を辿っておこうと思います。2020年の幕が開けた正月過ぎに、中国武漢で新型コロナウイルス感染症が発生しました。私もそうでしたが、ほとんどの人は中国だからそんな感染症が起こっても不思議はないと思っていたのではないでしょうか。そうこうしているうちに、武漢では医療崩壊が起こるほどコロナ感染症は拡大していきましたが、中国からの訪日旅行者を止めることはしませんでした。その人達から、東京、北海道で感染者が出てしまいました。そこに豪華客船ゴールドプリンセス号がやってきて、大規模な船内感染が広がりました。それ以降は、日を追って日本各地に感染者が広がり、4月7日にはすべての都道府県に緊急事態宣言が出され、巣ごもり生活を強いられました。紆余曲折はありましたが、その宣言も5月25日には一部解除され、一部残っていた県をまたぐ移動自粛も6月19日に解除されました。普段何気なく送っていた日常生活がこうして止められて、初めて日常生活のありがたさに気づかされたと思います。どんな状況にあっても普段行きたいところへ好きなように出かけられることだけでも、どんなに素晴らしいことかも実感できたと思います。この思いを忘れないで生活していきましょう。
2020年6月19日 医学博士・歯科医師 林 春二