危機管理
ここ数回、連続で新型コロナ政策の政府の無責任さについて書いてきました。つまり危機管理の無さについてでした。私達ハローアルソンとは全く違う責任の無さを責めていたのです。2015年に滋賀県近江八幡市にある岡山小学校に峰岡先生のご厚意で、6年生にハローアルソン・フィリピン医療ボランティアへの協力のお礼の話をさせてもらいました。2013年のことです。当時5・6年生がテレビでフィリピンに上陸した台風の放送を見て「自分達にも何かできないだろうか」ということで、歯ブラシ・タオル・石鹸を集めてくれました。しかし集まったときには受取人がいませんでした。そこでインターネットでハローアルソンの活動を知って、私のところに電話をくれました。私は喜んでその物資を受け入れました。2014年の活動に使う物資は、既に送ってありましたから直ぐに必要だったわけではありません。実はその物資の中に、5年生がどうしてこの物資を集めたのかが書いてある手紙が入っていました。ところがこの手紙に触れたのは、更に翌年、2015年の正月のことでした。つまり2年も経っていました。すぐに峰岡先生に連絡して、この時の5年生が卒業する前に話しに行きたいと告げました。先生は怒るどころかとても喜んでくれ、講演会が実現しました。関口団長に「ハローアルソン活動のスラムでの様子について」、祐介先生には、「仲間作りと、3・11大震災時にハローアルソンとして、すぐに東北に支援にでかけた話し」をしてもらいました。最後に私が「危機管理」について話させてもらいました。内容は何かあったときに慌ててやる事ではなく、何もないときから何かあったとしても、しっかりやれる準備をしておく大切さについてです。私達の活動は、毎年2月7日~10日前後にフィリピンのマニラ市近郊のスラムで、現地活動を行います。そこで使うハブラシ・タオル・石鹸を事前に送っておかないと活動に使えません。そこで前年の8月までに集まった物資を送っておきますが、この2013年に起きた台風ハイエンのように大きな被害が出ると送ってある物資をすぐに使ってもらいます。それから物資を集めて2月までに送ることは日程的に無理がありますから、当院と関口団長のところには送付した分と同じ物資のストックがありすぐに発送できます。この年もそうでした。そこに他の小学生達が集めてくれた物資が、各地から届けられますから保管庫は山のような物資でいっぱいになってしまいます。
「今年の分はある」というのは何もないときだけのことです。何かあったらと思えば、いつも呼びかけていなければ駄目です。フィリピンでは、大切な荷物の中から物資を抜かれてしまうことも稀ではありません。ですからその分までと思うと、倍近く送っておかないと間に合いません。常に最悪のことを考えると、実際に使う2倍も3倍もの荷物になります。これが「危機管理の基本的」なやり方です。こういう思いを関口団長も祐介先生も常に考え、周囲の人達に呼びかけてくれています。こうした考えで今回の新型コロナウィルスのことを評価してみると、政府のやり方は余りにも場当たり的としか思えません。
2020年4月24日