2020.04.17 林会長のお便り

 

オオカミ少年

 

 

 東京を初め、7都道府県で始まった緊急事態宣言が、いよいよ全国一斉になりました。そもそもコロナウィルスの感染拡大を防ぐために、クラスターを追う目的でやっていた方針では追いつかず、広く国民の外出制限を求めるものです。自分が求めた手法で結果が伴わない時、次の手に変えることはよくあります。しかし相手が沢山の場合は、単に方向転換するというだけでは納得してくれない人が沢山出ます。強行して訳も分からないのに進めると結果も出ません。みんなの集中力が落ちるからでしょう。リーダーはどうして方向転換しなければならなくなったのか、どこに問題があったのか、だからどうすれば良かったのか説明する必要があります。こんな時、良いリーダーは素直に謝罪します。相手が多ければ全ての人たちの意見を把握することは不可能です。そのためリーダーの周りには、サブリーダーがい、役員がいてリーダーの思いと沢山の人の思いの違いを埋めてくれるのです。

 

 安倍総理大臣のコロナウィルス対策は、PCR検査のあり方で大きなミスを犯しました。政治の世界は与党が圧倒的に有利で、思い通りに国を運営できます。だから今回のウィルス対策にしても与党の思い通りの方針を貫いてきたのですが、野党からは反対意見、もしくはその方針の欠陥(けっかん)を追及されていました。国会議員は自民党・公明党が過半数を制し圧倒的に有利ですが、その国会議員を送り出した国民の投票数は与野党、半々なのです。つまり国会議員は自分の後ろは半分の賛成、半分の反対者がいると思って欲しいです。今回のやり方賛成者は多くても国民の半分しかいないということです。クラスターを追うだけでは追えなくなってしまっているのに、この手法を固守(こしゅ)するのはおろかです。鈴木直道北海道知事が緊急事態宣言を発し、「政治は結果責任だから責任は私がとります」という言葉がTVで流されてから、一気に流れは変わり安倍総理は一気に学校一斉封鎖、マスク支給、生活が大変な困窮家庭に30万円支給、You Tubeではくつろいだ姿を見せるなど、懸命に失地(しっち)挽回(ばんかい)をしても打つ手打つ手が全て失敗しています

 

 今回は全国一斉と言っても「不要不急」の外出以外は外出をしないでくださいという要望ですから、今までの要望を受け入れられなかった人が、素直に受け入れられるとは思いません。以前にも書きましたが、イソップ童話の「おおかみ少年」と同じ道を歩んでいる安倍総理に一番の問題があるのです。嘘をつきすぎると信用されなくなり本当に大変な時に、協力してもらえない話の通りになってしまいます。しかし今回、二階堂幹事長、山口公明党党首の意見を聞いて、一人一律10万円の支給は実現しそうですから一定の方向性は出るでしょう。しかしこれとて野党が1ヶ月前から発言していたことを、ようやくやるに過ぎないのですから、国民の半分の信託しか得ていない与党の皆さん、同じく半分の国民が押している野党の意見を素直に聞くことも大切なのではないでしょうか。

 

2020417