祐介先生、牟田さんこんばんは
もはや日本だけではなく世界中で「新型コロナウィルス」の感染が問題となり、昨日、安倍首相が国内の小学校、中学校、高校、特別支援学校などの休校を宣言しましたね。
この決定には賛否は分かれると思いますが、この「未知なる危機」に対してこの判断が正解かどうかわかるのは、今後の結果しか判断することはできないでしょう。
ただ言えることは、案の定、インバウンドや経済影響を懸念するあまり、感染拡大初期の政府の対応に大きな問題があったことは否めないでしょう。これは決して差別的な考えではなく、国家とはまず国民の安全を第一に考えるというのが世界中どこの国でも当たり前の考え方に対し、政府は何に気をまわしたのかわかりませんが、発症国とされている中国への間違った対応によって、結果、これだけの被害と不安を国民に与えることになったのです。私たちがハロアルフィリピンボランティアで2月7日に現地に訪れた時にはすでにフィリピン政府は中国や香港からの渡航歴のある者の入国をすべて禁止していました。現在ではそこにマカオ、韓国の一部の地域が追加され、さらに入国に際し厳しい条件を加えています。
祐介先生。そう考えると私たちが訪れた時、例え日本人だったとしても140名を超える団体が何の問題もなく入国し活動できたのは本当に奇跡的なことだと思いませんか。
もし、日にちがずれていたら。もし、誰かの体調が悪かったら。このようなとき、ハロアル会長の林先生は「ボランティアの神様のおかげ」という表現をしますね。
これらを非科学的だとか宗教的だという意見も理解できます。しかし、私はこれまで16年間この活動に携わってきて、言葉では表現できない「何か」の存在を幾度となく体験してきました。それは無事に活動を終えることでもあり、それはあのような現場であっても処置後に大きなトラブルがなかったことでもあります。そして何より15年間この活動を続けられていることがまさに奇跡が奇跡を紡ぎ合わせてくれていると感じます。
もちろんそこには皆さんのご支援や、参加者や高校生たちの努力、そして各担当者たちの日々の準備の存在の賜物でしょう。しかし、私はいつも3日目の医療活動最終日に現地で祐介先生が活動終了の合図を出したとき、会場に流れ込む何とも言えない心地よい風と、みんなが笑顔と達成感に満たされるあの瞬間に今年も何かに守ってもらったような、そんな気持ちになるのです。
3月28日には恒例の「活動報告会」が「長野県御代田町エコールみよた」にて開催される予定です。現在行政の指導や世論など様々な動向を考えながら開催の有無を検討しなければなりません。会としてはできるだけ高校生の最後の活動を支援してあげたいのは誰もが願うことです。この願いがもう一度ボランティアの神様に届くことを心から祈っています。
2020年2月28日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人